- 加工のコツ 2018/02/23 更新
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動力伝達部品の1つであるシャフトは長軸であるため、通常ターニングセンタで加工されます。しかし、自動車などで使用されるシャフトは機能性、安全性を確保するため外径の全部または一部が熱処理されていることが多く、とくにベアリングなどのはめあい部など高い加工精度を求められる部分は研削加工が行われます。
このように、長尺材料で一箇所でも熱処理され、硬い部分がある場合にはNC旋盤と円筒研削盤の両方を使用することになり、加工工程が分かれてしまうため生産効率が悪くなってしまいます。そこで、熱処理された部品でもターニングセンタによるワンチャック加工を行うことができる方法が、今回ご紹介する「ハードスカイビング」です。
熱処理された部品をターニングセンタでワンチャック加工する方法にはCBNチップを使用した「ハードターニング」と「ハードスカイビング」の2つがあります。
ハードターニングは図1に示すように、CBNチップを使用する以外は通常の旋削加工と同じ加工法です。ハードターニングはプログラム作成が容易な半面、チップの先端が工作物と常に接触するため、チップ先端の磨耗進行が早く、加工精度を得るためには都度オフセット量を変更する必要があります。また加工後の仕上げ面はチップの先端(ノーズR)を転写した凹凸模様となるため、研削ほど優れた面粗さを得る事は出来ません。(図2)


図1.ハードターニング

図2.ハードターニング利用時の面粗さ
一方、ハードスカイビングは図3に示すように、Y軸で送りを与える加工法で、Y軸に対して前後に切れ刃を傾けることにより、切れ刃全体を使用して工作物を削るのが特長です。ハードスカイビングは切れ刃全体で工作物を削るため、加工後の仕上げ面がハードターニングのような凹凸模様ではなく、図4に示すような平坦な面になります。ハードスカイビングは包丁を進行方向に対して傾けて大根を桂剥きする(1回転ずつ皮を剥ぎ取る)イメージで、切りくずの形状を見ればメカニズムをイメージしやすいかもしれません。(図5)


図3.ハードスカイビング

図4.ハードスカイビング利用時の面粗さ

図5.ハードスカイビングの切りくず
ハードスカイビングを適用することで、熱処理されて部分的に硬さが違う材料でも、研削加工を行わず、NC旋盤でワンチャック加工を行うことができます。ハードスカイビングは旋削加工と研削加工を工程集約し、生産効率を高められる加工方法です。
ハードスカイビングを行う要件としては、ターニングセンタにY軸機能があること、使用するCBNチップに適切なものを選ぶ必要があります。実際に行うためにはノウハウが必要になりますが、工程集約を考えられている方は、ご相談いただければ、経験豊富な弊社のエンジニアがお応えいたしますのでお問い合わせください。






