People(社員紹介)People(社員紹介)

技術系

技術系

社製品の性能を左右するコア技術
つねに最大限の成果を追求していく

入野 成弘いりの なるひろ 2005年入社

伊賀事業所
要素開発部 びびり振動研究グループ グループ長 工学博士 (所属は取材当時のものです)

入社後、主軸技術、軸受の内製化のプロジェクトに取り組み、2013年の要素開発部発足より現職
現在は工作機械の重要課題の1つであるびびり振動の抑制に向け日々業務を進めている。
DMG森精機の技術の根幹を成す技術といえる、高剛性の工作機械を開発するための要素開発の第一人者として活躍中。

品レベルを底上げする機械構造の性能を
向上させる開発の核となるセクション

製品レベルを底上げする機械構造の性能を
向上させる開発の核となるセクション

要素開発部では、主軸やボールねじ、ATCマガジンなどの主要要素の設計を担当するグループ、部品やユニット装置類を、機種・部署・海外拠点をまたいで、統合を進めるグループ、また機械構造の性能を向上させる業務を行うグループがあります。

DMG森精機の製品レベルを底上げする技術開発を主に行っており、開発の核ともいえる部署です。

工作機械の加工で求められる性能は、加工精度と加工能率です。私が所属する要素開発部びびり振動研究グループは、高効率で、高精度に加工するための技術に取り組んでいます。機械加工時の振動測定、機械構造の解析を通じて、性能を向上させる業務を行っています。

PROJECT

PROJECT

基幹部品の内製化を確立

私は入社から2年半、主軸技術課で主軸に関する業務を行い、その後、約4年間、軸受の内製化プロジェクトに参加していました。

最初に在籍した主軸技術課では、主軸の状態を診断する技術開発、主軸の精度を評価する技術開発を行っていました。診断の業務では主軸回転時の音や振動を分析し、発生周波数からどの箇所に問題があるか素早く判断することが求められます。当初この業務はFFTアナライザという測定装置を準備して分析を行っており、分析準備のための時間が非常にかかっていました。効率化のために、分析をPCで直接行い予め入力された軸受の諸元をもとに問題箇所の特性を容易にするソフトウェアを作成しました。この技術は現在、製造現場で行われる製品検査でも用いられています。また精度に関しては、主軸の回転精度を正確に測定する仕組みを作りました。変位計などで主軸の基準箇所を測定すると、測定結果には主軸の動きだけでなく、測定している主軸の表面形状も含まれるため、単純に測定しただけでは正確な評価になりません。この解決のためにソフトウェア処理で主軸の動きと測定対象面の形状を分離できる処理プログラムを作りました。これが現在社内で実施している主軸回転中の精度評価方法に結びついています。

次に所属した軸受内製化の部署では、軸受設計、製造に関する技術課題を解決する業務を行っていました。軸受は部品点数が非常に少ない機械要素になりますが、設計から製造まで求められることが多岐にわたっています。設計的には、軸受の剛性、寿命、回転数、サイズなどが組み込む機械側の要求を満たしているかの判断できる必要があります。加工工程では、寿命に影響する潤滑油膜を確保するために、必要な表面粗さを理論的に求める必要があります。また組立工程において、精度、剛性、トルクが仕様を満たしているか検査しなければなりません。設計と製造が一体化されていた部署のため、理論的な知識だけでなく、材料、熱処理、加工など機械製造に関するエキスパートから数多く学ぶことができました。これらの軸受の製造、技術開発を工作機械専業メーカー自ら行っている例はないため、DMG森精機の優位点になっています。

VISION

VISION

想定した性能を達成した喜びが
明日へのモチベーションにつながる

要素開発部の仕事は、機械性能そのものを向上させるための技術開発であり、自社製品の性能を左右するコアな業務と考えると重責を感じます。それと同時に、実施した性能向上案が実際に機能し、目標を達成した時には、とても大きなやりがいを感じることができます。

数年前、お客様から要求された難削材の加工を実現させた際の事です。目標の妨げとなる振動要因は測定で比較的容易に見つけ出せ、これを解決すれば良いと考えていました。しかし、実際の目標のハードルは高く、解決できる有効な手段が見つからず休日も頭から離れませんでした。解決への転機は、加工が継続できなくなる現象の発生原理と機械構造を俯瞰的に見直すことで、凝り固まっていた考えから離れられたことです。機械の振動に懸命に抗おうとしていましたが、吸収すれば良いと発想の転換ができ、具体的に実現可能な手段を見いだせました。この方向性で設計部署と連携をとり、これを実際の機械構成の中で成り立たせました。結果、要求された加工を可能とすることができ、お客様にも満足して頂くことができました。性能向上案を決定し図面化した後に、物が完成して実施するまで、多くの関連部署の人員の時間を費やし協力頂くため、現実に加工ができるまでの期間は重圧を感じます。目標の加工をしている時は、勝敗の価値が重たいスポーツ競技で戦っているかのような気分になりますが、達成されたときの喜びは一入です。

プロジェクトは一人で進めるものではなく、チームでの取り組みです。自分一人で改善手段が見つからなければ、チームで可能性を探る。そうすることで難題解決の道も早く開けることを実感しました。チームを牽引する立場にある今、この時の経験を活かして、ひとりひとりの力を伸ばしながら自社の技術躍進に邁進したいと考えています。これからも歩みを止めず、最大限の成果を追求してまいります。

PRIVATE

PRIVATE

家でのんびりするよりも、
外に出かけたいタイプです。

休日は家でのんびり過ごすこともありますが、基本的にはアウトドア派。朝起きた時の気分で、目的地を決めずドライブに車で出かけたりもしています。冬場はスノーボードによく出かけていたのですが、ここ数年は家族や仲間とのスケジュールが合わず、行けていないので残念です。この冬こそ実現させたいと思っています。