加工のコツvol.3
ギヤスカイビング－専用機による加工を汎用機で実現－

スカイビング加工は工具主軸の回転と工作物の回転を同期させることにより歯車加工を行う加工法です。スカイビング加工の考え方は1950年頃から提唱されていましたが、当時は加工精度の観点から実用には至りませんでした。しかし近年、工作機械の同期制御技術が向上したことで実用化された加工技術です。

従来、歯車加工はホブ盤やギヤシェーパなど専用機が必要で、購入費用や設置スペースなどの課題がありました。一方、スカイビング加工はマシニングセンタやターニングセンタで歯車加工を実現できるため、汎用性に優れ、設備費、間接費の抑制が可能です。また、スカイビング加工はワンチャッキングで加工が完了するため、工作物の脱着、段取りなどの手間も省くことができ、これに伴う加工精度の向上も望めます。近年は、スカイビング加工を行うための加工機のインターフェイスが格段に進化しており、使い勝手が良い対話式ですので、難しい知識も不要になっています。