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お客様事例

  • お客様事例 2023/07/27 更新
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長野県南信工科短期大学校

座学にデジタルアカデミーを組み込み、授業の練度を高める。
デジタルアカデミーの新たな活用方法とは

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 長野県南信工科短期大学校は、2016年4月に開校した県立の工業系教育施設。実習を中心に、1クラス20名という少人数指導により現場で役立つデジタルエンジニアの育成を目指している。デジタルアカデミーは、機械システム学科などの学生を対象に2022年度から導入。その具体的な活用方法と、1年間の効果などを伺った。

長野県南信工科短期大学校

県内2番目の工科短大として南箕輪村内に開校。独自のカリキュラムで即戦力のエンジニアを育成する

ようこそ伊那市へ
長野県南信工科短期大学校

東に南アルプス、西に中央アルプスという、二つのアルプスを臨む雄大な自然の中に本校はある

DMG森精機製の工作機械と、デジタルアカデミーで教育効果を向上

 長野県南信工科短期大学校の実習室には、DMG森精機製のNC工作機械がズラリと並ぶ。現在、同校にあるNC工作機械全7台のうち、6台がDMG森精機製と圧倒的な台数を導入。「その理由は3つ」と、機械システム学科の中島一雄教授は語りはじめた。「当校はカリキュラムの約半分を実習が占めているため、工作機械の性能と使い勝手にこだわった結果、DMG森精機製になりました。それが一つ目の理由です。二つ目は、国内で標準的に使われているファナック制御の工作機械の中でDMG森精機のシェアが高く、学生の就職先でもよく使われていることです。三つ目は、単一メーカーに統一した方が我々教員も学生も習熟度が高まると考えたからです。DMG森精機の制御装置は直感的に操作ができるので、学生も段取り工程がスムーズで非常に使いやすいと好評です。」

DMG森精機の工作機械
DMG森精機の工作機械 CMX 800V

DMG森精機の5軸加工機、マシニングセンタ、ターニングセンタなど6台を導入

機械システム学科 中島 一雄教授

教材としての有用性について語る、機械システム学科 中島 一雄教授

 これらの工作機械を用いた実習や座学の効果を高めるために、教育用ツールを導入したいと相談したところ、デジタルアカデミーを紹介されたという。「工作機械の授業では動画による説明が分かりやすく効果的であることは、さまざまな実習の経験から実感しており、最初から動画コンテンツを希望しました。テクニウムさんのコンテンツということもあり、教室や自宅など場所を選ばず受講することができ、予習・復習といった繰り返し学習が可能です。また、当校はDMG MORIの工作機械を使っていることもあり、教材も統一すれば理解度が深まると考えました。」

教室のモニタで動画を映し、小テストも全員で答える形に

 デジタルアカデミーは、2年制の「機械システム学科」の1・2年生(各20名)と、地元企業が研修のために派遣する「機械科6カ月コース」(10名)の学生が受講。機械加工ベーシックと、ターニングセンタベーシック、マシニングセンタベーシック、5軸加工機ベーシックの4コースを採用した。

 具体的には、座学や実習のカリキュラムに沿って、デジタルアカデミーを必要なときに必要な単元の動画をピックアップして使用する独自のスタイルを採用。「例えば、1年生の最初に教える機械工作法という座学の中で機械加工ベーシックの基礎的な部分の動画を流して説明しました。」と中島教授。続いてターニングセンタの授業を担当する鮎沢俊輔講師は、「入学早々、ターニングセンタの授業が始まる日に、教科書で機械の構造や操作方法などを説明した後、機械加工ベーシックとターニングセンタベーシックの動画で工作機械が動く様子を見てもらいました。講義を受けながら関連動画を見て理解を深められるので効果が高いですね。」と、講義と動画の相乗効果を強調する。

鮎沢 俊輔 講師

「複雑な軸の動きを動画で解説できるので、資料作りが簡略化できました」と語る鮎沢 俊輔 講師

 また、授業では学生一人ひとりではなく、教員のアカウントのみをパソコンにつなぎ、教室のモニターで動画を映して説明。単元ごとの小テストや確認テストも個別ではなく、全員で見てワイワイ言いながら答えていたという。
もちろん自習や実習の待ち時間、自宅などでもデジタルアカデミーを復習・予習に活用。矢崎美彦准教授は、「事前に“この部分を予習しておいて”と指示すると、授業中は補足の説明のみで済み、余った時間でより詳しい内容を伝えることができました。授業の資料づくりなどの準備段階の作業時間が減り、我々教員の負担軽減にもつながっています。」とデジタルアカデミーのメリットを語ってくれた。

矢崎 美彦 准教授

「多くの学生が自宅などで予習・復習に使っています。」と語る矢崎 美彦 准教授

 工作機械の操作方法や工具の動きなどは動画で見た方が分かりやすいことが多々ある。「これまでは3軸と5軸の違いを、絵を描いて説明していましたが、相違点である回転軸と傾斜軸の動きなどは、静止画では伝えきれないもどかしさがありました。動画なら5軸の動きがひと目で分かり、その必要性まで理解が進んだと思います。」と鮎沢講師はデジタルアカデミーの良さを強調。続いて岡本講師は、「動画に出てくるDMG森精機アカデミーの研修施設は白を基調とした清潔なつくりで、清掃と整理整頓が行き届いています。その様子を見て5S意識の大切さを伝えられました。」と思わぬ効果を披露した。

岡本 謙 講師

岡本 謙 講師「DMG森精機アカデミーの研修所の清潔さを見習うようにしています。」

以前よりも早く機械操作を任せられるようになった

 デジタルアカデミーは学生の評判も良かったという。「教科書は文字と画像や図解のみ、実習は機械の動きが速すぎて分かりづらい点もありましたが、動画なら目と耳でゆっくりと確認できて、よく理解できたという声を数多く聞きました。また、一斉の講義や動画を流すだけだと、どうしても理解度に個人差が出てきますが、デジタルアカデミーなら後で繰り返して見直すことができます。」と中島教授と矢崎准教授は学生の知識向上にも役立ったと口を揃える。

中島教授

中島教授曰く「大画面モニターで動画を映すので、学生たちの顔が見えて反応が分かりました。」

 導入から1年――。デジタルアカデミーの効果は、どれだけあったのだろうか。「個人差はありますが、以前よりも機械操作を早く任せられるようになりました。また、工作機械の構造や操作方法をよく分からずにボタンを押している学生が少なくなったと思います。ある程度、理解したうえで操作をしていると感じます。」と中島教授は効果があったことを力説する。
岡本講師は「私は昨年、初めてターニングセンタの授業を担当しました。授業が始まる4月には、計画した学習目標に到達できるかと不安でしたが、デジタルアカデミーを活用したことで順調にカリキュラムが進み、全員が目標に到達。追加の課題を出題するほど余裕がありました。私のように初めて授業を担当する教員でも、他の教員と同じスピードで目標に到達することができたので、非常に良かったと思います。」

<デジタルアカデミーを受講した学生の感想>

●機械科(6ヶ月コース) Aさん
以前に別のeラーニングを受講したことがありますが、動画の説明文を見て単元ごとに確認テストがあるだけでした。今回のデジタルアカデミーは、単元ごとの確認テストに加えて、修了テストもあり、いっそう理解を深めることができました

●機械科(6ヶ月コース) Bさん
苦手分野の内容をデジタルアカデミーで復習したので、よく理解ができました。また、単元の最後にテストを解くことで自分の理解度を把握できたのが良かったです。

<南信短期工科大学校の独自プログラム「総合課題」>

総合課題は、機械システム科と電気システム科の2つの学科の学生が混成チームとなり、共同で企画から設計・製作・生産管理までを少人数のグループで行うプログラム。モノづくりの一連の流れを体験できるほか、社会で必要なコミュニケーション力の向上にも役立っている。

総合課題
総合課題

総合課題では、機械システム学科と電気システム学科の学生が協力してひとつの作品を作り上げていく

民間企業在職者向けの短期「スキルアップ講座」でも活用したい

 同校では、今後もデジタルアカデミーを活用していく方針で、それぞれの教員が授業の進め方を考え実践していく。

  • 「1年間、試行錯誤しながら使ってきましたが、動画の内容も使い方も分かってきたので、使用する機会を増やしたいと考えています。また、本校では各企業で仕事をしながら受講できる4~5日間のスキルアップ講座を実施しています。その講座でもデジタルアカデミーを取り入れていきたいです。」(中島教授)
  • 「私も手探りで授業に利用していましたが非常に良かったので、どんどん活用していきたいと考えています。」(矢崎准教授)
  • 「2022年度は5軸マシニングセンタの授業を担当していましたが、2023年度は3軸を教えます。基礎的な学習は、特に動画を活用すると理解が深まるので、積極的に使っていきたいです。」(鮎沢講師)
  • 「2022年度は工作機械のことを全く知らない1年生にターニングセンタをイチから教えました。その学生たちが2年生に進級しています。2年生では応用編に入りますが、基礎を繰り返し学習することは大切なので、折にふれてデジタルアカデミーの基礎的な単元をピックアップし、反復学習を徹底していきたいと考えています。」(岡本講師)
DMG森精機の工作機械
DMG森精機の工作機械 CMX 800V

設備の充実した実習室にて。学生は部品の完成までイチから取り組むことで、将来を見据えた実践力を養う

 このような教員の方々の話を受けて、DMG森精機のグループ会社でデジタルアカデミーを運営するテクニウム株式会社の辻 直志 執行役員副社長は、今後の展開を次のように語る。「現在のデジタルアカデミーは、一人ひとりが見て理解をしていく自習型のプログラムとして開発しました。今回、南信工科短期大学校様のように単元ごとに使っておられることが分かったので、新しいコンテンツをつくる際には見たい単元にジャンプできるインデックス機能を設けるなど、ご要望にできる限り応えていきたいと考えています。」
今後も同校とテクニウムは連携を強め、デジタルアカデミーの積極的な活用による教育効果の向上を図っていくことだろう。

南信工科短期大学校の教授・講師

左から/
中島 一雄 教授 (機械加工・機械設計・制御技術などの授業を担当)
矢崎 美彦 准教授(機械加工・制御技術などの授業を担当)
岡本 謙 講師 (ターニングセンタの授業と2次元CADの実習を担当)
鮎沢 俊輔 講師 (機械加工・機械設計・設計製図などの授業を担当)

※組織名・肩書は掲載当時のものになります。

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