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ニュース/トピックス

  • ニュース/トピックス 2016/10/27 更新
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商品担当者が語る
立形マシニングセンタの新シリーズ「CMX V」開発エピソード

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  • マシニングセンタ
  • 省スペース

当社は2016年9月にシカゴで開催されたIMTSにて、立形マシニングセンタの新シリーズとなるCMX Vシリーズを発表し、受注を開始しました。日本及びアジアでは、同年11月のJIMTOFにおいて初公開となります。

CMX Vシリーズは、多様化、高度化するお客様の要求に応えるべく開発されました。製品コンセプトは「Compact / Competitive / Customized」から成る3つの「C」で、これがCMXのシリーズ名の由来となっています。

CMX/CLX商品部 部長 湯浅卓

CMX/CLX商品部 部長 湯浅卓

Customizedによって生み出す高付加価値

最大の特長は、290種類の標準オプションを用意して、どんな要求にも幅広く対応できることです。例えばツールマガジンの収納本数は、標準では30本ですがオプションで60本、主軸最高回転数は標準で12,000 min-1ですがオプションで20,000 min-1を用意します。加えてカスタムメイド(特別仕様)に応えることも可能で、当社のソリューションベースマシンと位置づけています。

さらに、機械本体、切削工具や周辺機器などのオープンイノベーション、組み込みソフト、ヒューマンマシンインタフェースを融合させた当社の新しいソリューション「テクノロジーサイクル」にも対応しています。現在はWセッタをはじめとする6つが使用可能で、今後インターポレーションターニング、MVC、MPCへの対応を計画していきます。

私の所属する商品部は、CMX Vが開発・製造される伊賀事業所に勤務し、そこから営業部に製品の最新情報を常に伝達し、また営業部やお客様からのフィールド情報を伊賀事業所にフィードバックすることで、より多くのお客様に当社の商品を選んでいただけるようサポートする部署です。私自身、2001年入社以来、ずっとマシニングセンタを担当してきましたが、機械が進化していく様子を間近で感じています。多彩なオプションで高付加価値を生み出せるCMX Vは、これまでの当社にはなかった、全く新しいタイプのラインナップだと言えます。

お客様がよりCompetitiveになるために

CMX Vシリーズの「C」には、購入いただいたお客様に業界内での競争力を手にしていただきたい、という思いも込められています。開発にあたっては、種々の機能は勿論ですが、基礎となる工作機械としての使いやすさ、具体的には「接近性」「操作性」「視認性」の3点にもこだわりました。中でも接近性については、様々な工夫を凝らしています。立形マシニングセンタの用途は多品種少量生産が多く、工具の状態確認や交換を簡単に行うためにも、ワークを載せるテーブルや主軸への接近性が非常に重要視されるからです。

例えば、これは日本製の機械としては珍しいのですが、主軸がY軸方向に前後するよう設計されています。通常、Y軸方向に動く主軸は、一番前に出たときに振動しやすくなってしまうという難点があるのですが、CMXではコラム前面に設けられた2つのサポート(デュアルサポート)でY軸スライドを支える構造にすることでこれを克服しました。

さらに、作業者がテーブルにもう一歩接近できるよう、正面カバーラインをテーブル側にくぼませ、つま先が機械足元に入り込めるように設計しました。また、段取り作業時に無理のない姿勢が保たれるよう、テーブル高さについても十分に検討しました。

接近性を確保する正面カバーのくぼみ

接近性を確保する正面カバーのくぼみ

クレーンに対応する開閉式の天井

クレーンに対応する開閉式の天井

機械サイズだけでなく納期もCompactに

CMX VのCのひとつとしてCompactを謳っていますが、ただ小さいだけではなく、コンパクトな機械サイズを維持しながら、クラス最長となる560 mmのY軸ストロークを実現しました。また天井部分が開閉式となっているため、大きく重いワークはクレーンで載せられるようになっており、このスペース効率の良さを存分に発揮することができます。

当社の搬送技術部にて開発中のロボットシステムでは、各機能のモジュール化を実現させており、CMX Vの周辺機器オプションとして予定をしております。ワークストッカ、ワーク反転装置、バリ取り装置など、設計済みの周辺モジュールをパズルのように自在に組み合わせることで、お客様のご要望にも柔軟に応えつつ、打ち合わせでご要望をいただいてから設計を行うのに比べ、短い期間で納品することができます。さらに、将来のワーク変更時にも容易にレイアウト変更が可能です。

モジュール化においても、お客様の目線を重視しています。例えば当社は、今後は治具のモジュール化も実現していこうとしていますが、そのために、お客様がこれまでにどのようなワークを扱っていたかを分析しました。治具は通常、ワークが決まらないと設計できませんが、お客様のワークの傾向を把握し、それに対応する治具を予め用意しておくことで、短納期と品質の確保を両立できると考えています。

最後にお客様へ

CMX Vの最大の魅力はカスタマイズ性です。これを活かし、お客様が機械の導入にあたって面倒に感じておられた検討も含め、「うちで全部面倒を見ます!」という意気込みで、今後も邁進してまいります。まずはお気軽にご相談ください。

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