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積層造形と切削加工を融合したHybrid machine tools LASERTEC 65 3Dの特長

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  • アディティブ・マニュファクチャリング
  • 金属積層造形機
雑誌名 積層造形と切削加工を融合したHybrid machine tools LASERTEC 65 3Dの特長 2015年6月
著者 小田 陽平
伊賀加工技術部 AMテスト加工グループ グループ長
公開日 2015年6月

1. はじめに
積層造形は英語ではAdditive Manufacturing(以下、AM)と呼ばれ,2009年にASTM INTERNATIONALで呼称が決定されたものである.一方,切削加工を含む除去加工は対比としてSubtractive Manufacturing(以下、SM)と呼ばれている.このAM技術は,1980年に小玉秀男氏が光硬化性樹脂を用いた光造形法の特許出願を起源とし1),多くの技術者が研究,開発している技術である.以前まではRapid Manufacturingと呼ばれることが多く,樹脂を使用して特に試作品を短納期で製作すること,従来の方法では製作できなかった形状の部品を製作することが可能であった.しかし,樹脂の造形では試作レベルの製作に留まっており,広く普及することはなかった.一方,金属造形技術の進歩により適用範囲が広がり,工業用の製品にも使用される例が近年急激に増加している.たとえば,図1に示す航空宇宙分野において,部品内部に複雑な形状を造形することで軽量化や冷却性の高効率化の実現2),医療分野において,生体親和性を高めるための複雑形状部品を患者に合わせてオーダメイドするような例があげられる3).Wohlers report*によれば、今後このAMの需要は2009年に10億ドル程度であった世界市場の規模が2012年には20億ドル以上になっており,2021年には108億ドルまで規模が拡大すると予想されている.さらに.米国,ドイツ,中国,更に日本においてはTRAFAMといったように,政府がAMの研究開発支援を行うようになり業界の活性化に貢献していると思われる.このTRAFAMは2015年3月に要素技術研究機を開発したと発表され,欧米に遅れを取っているAM技術開発の進歩が期待される.

※組織名・肩書は執筆当時のものになります。

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