- お客様事例 2026/03/23 更新
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最新の極端紫外線リソグラフィ(EUV)システムは、ナノメートル単位の構造サイズを実現するため、小型チップへのトランジスタの高密度実装を可能にしています。この卓越した技術の原点は、リソグラフィシステムそのものの構成にあります。リソグラフィシステムは長期的な熱応力に耐え、何百万回も高精度な動作と位置決めサイクルを実現するため、その部品は炭化ケイ素やゼロデュアのような材質で構成されています。1994年にオーストリアのシュタイアーマルク州アイビスヴァルで設立されたFuchshofer Präzisionstechnik社は、これらの硬脆性先端材料の精密加工を専門とし、DMG MORIの超音波加工技術を活用して製造を行っています。同社では合計14台の超音波加工機ULTRASONICシリーズを使用されており、これは、超音波加工の信頼性の高さを示しています。2024年には、半導体業界の高まる需要に対応するため、超音波加工機ULTRASONIC 50 3rd Generationを2台追加導入されました。
2024年には、ULTRASONIC 50 3rd Generationを導入
Fuchshofer社では、超音波加工機以外もDMG MORIのマシニングセンタを活用している。
超音波加工:最高レベルの加工品質
Fuchshofer Präzisionstechnik社がDMG MORIから最初の超音波加工機ULTRASONICを2005年に導入した時には、既に精密機械加工において長年の経験があり、現在でも、旋削・ミーリング・研削・ワイヤー放電加工(ワイヤーEDM)など多岐にわたるサービスを提供しています。主に超音波加工機ULTRASONICを使用しているセラミック・硬脆材部門の責任者であるAaron Reinisch様は、「2017年以来、当社はFuchshofer Advanced Manufacturing社と協働して積層造形サービスを提供しています」と、製造実績に触れながら語ります。 さらに、「半導体業界の急速な成長により、ここ数年間はほぼ毎年、超音波加工技術への設備投資を行ってきました」と述べています。Fuchshofer社は、DMG MORIのULTRASONICシリーズへの信頼を一貫して持ち続けています。「超音波加工機ULTRASONICは、当社とお客様が求める最高品質の部品加工を確実に実現してくれます。」
超音波加工:穴あけ・研削・5軸加工
Fuchshofer社は超音波加工技術を活用し、石英ガラス、ゼロデュア、サファイアガラスはもちろん、工業用セラミック、複合材料、炭化物も生産性と精度を両立させながら機械加工しています。超音波加工技術の原理は革新的でありながら非常にシンプルです。超音波加工機ULTRASONICに搭載されたアクチュエータが工具を高周波で振動させ、その振動を旋回軸や直線軸動作に重ね合わせることで、工具とワークの間に脈動接触を生じさせます。この仕組みにより、素材の除去加工が可能となり、微小クラックの発生を最小限に抑えることができます。
この技術の適用範囲は非常に幅広く、直径0.4 mmの精密な穴加工、超音波研削加工、そして3次元形状の5軸超音波加工など、さまざまな加工に応用可能です。「炭化ケイ素板は現在、当社事業の大半を占めています」とAaron Reinisch様は説明します。これらの炭化ケイ素板はリソグラフィシステムで半導体ウェーハの基材として使用されます。「また、温度の安定性に優れた部品の生産工程では、微細な冷却流路を加工することで、半導体製造における熱影響を最小限に抑えています」とReinisch様は補足されます。
「DMG MORIの超音波加工機は、当社およびお客様が期待する高品質な部品加工を実現します。不良率が1%未満であることは工程が最適化されていることを実証しています。」
Fuchshofer社のセラミック・硬脆材部門責任者のAaron Reinisch様

ダイヤモンド電着工具による信頼性の高い生産
被削材である炭化ケイ素はダイヤモンドとほぼ同等の硬度を持つため、超音波加工機ULTRASONICにも適切なダイヤモンド工具を使用する必要があります。Fuchshofer社では、Schott社およびDMQPパートナーであるEffgen社の電着研削ピンを使用しています。「自己研磨性を備えたこれらの工具は最大15時間の耐久性を持ち、3~4回程度のドレッシングが可能です」とAaron Reinisch様は選定理由を説明します。これにより、最小限の労力で信頼性の高い製造が実現しています。炭化ケイ素製の部品は、お客様の仕様に応じて機械加工され、完成まで最大60時間を要します。「不良率が1%未満であることが、この工程が最適化されていることを実証しています」と、Aaron Reinisch様は満足げに語ります。
密接な連携による工程の最適化
Fuchshofer社は、社内で活用する多彩な技術を活かし、最適な製造戦略基盤を構築しています。「当社はお客様と緊密に連携し、加工工程を最適化しています」とAaron Reinisch様は説明します。従来のマシニングセンタを使用して加工する方が効率的な場合もあれば、超音波加工機ULTRASONICが必要不可欠な場合もあります。「私たちは常に、技術的な要件とそれぞれの加工工程が持つ利点との組み合わせを慎重に検討しています」Fuchshofer社は、今後重要になると考えられる新素材への挑戦も続けています。例えば、非常に高い硬度を持つ窒化ケイ素について、Reinisch様は次のように述べています。「半導体分野にとって非常に魅力的な素材ですが、加工が極めて難しいのです」同チームは超音波加工機ULTRASONICを活用しながら、窒化ケイ素部品を高い品質で製造するための新たなソリューション開発を進めています。「工具、技術、切削条件の相互作用こそが極めて重要です」と同氏は述べています。
新たな市場への進出
Aaron Reinisch様は次のように確信しています。「新技術の導入と既存工程の最適化は、当社の事業を継続的に拡大するための鍵となります」Fuchshofer社の包括的なアプローチと将来性のある産業プロジェクトへの注力は、同社が航空宇宙産業向けの認定を取得している点にも表れています。これは同社の幅広い業界で培った経験が、長期的な安定性につながっていることを意味します。「半導体業界で培った豊富な経験は、新たな市場への進出を後押ししています。工業用セラミックは他の分野でも需要が高まっています」とReinisch様は説明します。これを背景に、同氏はさらにULTRASONICの超音波加工技術が今後も必要不可欠となると見込んでいます。「この分野で当社が提供できるサービスと、機械加工の品質水準に関する要件は今後も拡大するでしょう」
※組織名・肩書は掲載当時のものになります。
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