- お客様事例 2026/01/12 更新
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HYDAC International GmbH(以下、HYDAC社)は、1963年にドイツ・ザールラントで設立された、全世界で9,500名の従業員を擁する油圧およびシステム技術分野のリーディングカンパニーです。1996年には上海に「HYDAC China」を設立し、フィルタやアキュムレータなどの油圧部品を中心とする製品の販売を行っていました。しかし需要拡大や納期短縮のため、現地生産の重要性が高まり、2003年からはHYDAC Chinaでの生産を開始。徐々に生産体制を拡充され、2005年には、DMG MORI製の工作機械を初めて導入されました。その後さらに数台の工作機械を追加導入され、HYDAC社とDMG MORIは継続的な工程の最適化を行いながら、協力関係を深めてきました。特に注目すべき点は、6台のNHX 4000とリニアパレットプール(LPP)を組み合わせた自動化システムです。
デジタル化と自動化が加速する中、今後の技術進歩には、ほとんど限界がありません。
当社とDMG MORIの協力関係を行うことで、今後の技術開発はさらに長期的で強固なものになるでしょう。
HYDAC China
生産部長
Zhu Min様(右)
最高の結果を目指した連携
HYDAC社は品質保証に基づき生産を行われているため、生産技術に関しての要求水準は非常に厳しく、工作機械も工具もトップレベルが求められます。「当社はトップブランドを信頼しています。特に重視するのは加工の精度と効率です。DMG MORIとは長年緊密に連携してきました」と、HYDAC Chinaの生産部長であるQiu Feng様は話されます。加工品質も工程安定性も、当初から現在に至るまで申し分はないと評価されています。
DMG MORIからの一括供給と協力体制
「HYDAC Chinaの成長がDMG MORIのサポートによるものであることは間違いありません。HYDACとDMG MORIは、それぞれの業界をリードする企業です。ブランド認知度、製品品質、開発戦略に関して双方が目指すビジョンは同じです。これは協力のための強固な基盤となります」と、HYDAC Chinaの生産部長であるZhu Min様は率直に話されます。HYDAC Chinaで生産を開始した時は工作機械1台でのスタートでしたが、その後、ワーク搬送を半自動化する装置と自動生産セルを追加されました。現在では、パレットハンドリングシステムを備えた完全な自動化システムを導入されています。
6台のNHX 4000にLPPと4,000本の工具を収納可能なセントラルツールストレージを組み合わせたシステム
2020年、HYDAC社はドイツの工場にDMG MORIの自動化システムを導入されました。このシステムは、6台の横形マシニングセンタNHX 4000、パレット運用枚数48枚のパレットプールシステム、最大4,000本の工具を収納可能なセントラルツールストレージ(CTS)で構成され、DMG MORIがワンストップで対応しました。この自動化ソリューションを導入したことで、同社では生産に関するあらゆるニーズを完全に満たすことができたのです。
完全自動化されたフレキシブルな大型生産ラインをアジアに構築
この実績を足がかりに、2021年に同様の自動化システムをHYDAC Chinaの工場に納入しました。柔軟性に優れた完全自動の生産ラインにパレット収納棚を組み込んだシステムです。「試運転を順調に終えた後、システムはあらゆる面で期待どおりの性能を発揮しています」と、Min様は太鼓判を押されます。現在このシステムは、柔軟性を備えた完全自動生産ラインとしては、おそらくアジア最大です。「工作機械が6台ある自動化ラインは珍しくないでしょうが、ラインの片側に最大4,000本の工具を収納可能なCTSを統合しているとなると、確かに印象的です」と、Feng様は話されます。この自動化システムは、LPP、CTS、コントロールシステムLPS 4th Generation、ツールプリセッタ、6台のNHX 4000などで構成されており、「この生産ラインは、技術的に複雑な生産ラインですが、数々の特長を備えており、当社のニーズを満たしています」と付け加えられます。

LPS 4th Generationでシステムを一元管理
5箇所の段取りステーションと48パレット棚を連結
HYDAC ChinaのLPP(リニアパレットプール)は、5箇所の段取りステーションと48パレット棚を備えています。段取りステーションのうち3箇所はオペレーターが治具を装着するために使用し、2箇所はワークの着脱をロボットにより完全自動で行います。LPPはパレットを各段取りステーション、パレット収納棚、工作機械へ搬送します。自動化システム全体の制御と管理は、DMG MORI製のコントロールシステムLPS 4th Generationで行います。
1台のシステムで多数の工作機械を一括管理でき、オペレーター1名体制が可能に
4,000本の工具を収納可能なCTSが、この自動化システムのハイライトです。24時間、年中無休の自動運転が可能です。工具搬送中、ロボットアーム上のビジョンカメラが、工具ラックの空き状況を監視します。また、このビジョンシステムが工具ラックの位置を確認することで、システムの安全運転に支障をきたす熱影響などを防止します。コントロールシステムLPS 4th Generationは、自動化システムの「頭脳」の役目も果たします。自動化システム自体は相当な規模ですが、オペレーター1名のみで管理できます。LPSは、工作機械にプログラムを割り当てたり、生産性を向上させたりするほか、機械の稼働状況を表示します。また、個々の工作機械の稼働状況を一覧表示できます。さらに、工具が使用可能な状態か、工具寿命が十分残っているかを、加工ジョブの実行や工作機械への搬送の前に毎回確認します。この機能がCTSと連携すると大きな効果を発揮します。工具がセットされていなかったり、工具寿命を超えていたりすれば、自動的に工具室に報告されるため、スムーズに交換用工具を準備できます。
NHX 4000 × 6台 + 48のパレット棚数で構成されるこの自動化システムは、幅33 mを超えます。さらに、最大4,000本の工具を収納できるセントラルツールストレージがシステムに組み込まれています。
ツールプリセッタはLPSと接続されており、LPSのデータベースに自動的に工具データを書き込みます。工具の搬入が必要になった場合は、オペレーターが工具のQRコードをTSS(ツールセットアップステーション)に読み込ませ、その工具をTSSのマガジンに搬入すると、その後ロボットが自動的にそれらの工具を各工作機械の適切な位置やマガジンまで搬送します。
パレット搬送と工具搬送の融合
ターンキー方式の自動化
- 6台のNHX 4000を、48パレット仕様のLPPで連結
- 5箇所の段取りステーション、うち2箇所のロボットステーションでは、ワーク着脱の完全自動化を実現
- 最大4,000本の工具を収納可能なセントラルツールストレージシステム(CTS)を統合
- ERPや工具管理システムとも連携し、機械、パレット、工具の全体制御・管理を行うコントロールシステムLPS 4thGeneration
なくてはならない自動化ソリューション
「扱う部品の種類は非常に多いですが、この自動化システムは当社の要件を完璧に満たしています。現在、HYDAC Chinaが受けた注文の70%はこの生産システムで対応しています」と、Min様は話されます。HYDAC社は自動化システムによる成果にとても満足されています。「スタッフの配置、工程信頼性、技術サポート、誤差率、在庫率、良品率など、いずれの面を考えても利点は明らかです」と話されます。以前は生産ラインの運転に1シフト当たり6人必要だったところを、1シフト当たり1人とする3人体制まで削減できました。「人件費の上昇や人材獲得の難しさを考えると、当社はこうした利点にまさに魅力を感じています」と、Min様は付け加えられます。

良品率97%超で原材料の無駄を削減
このことは、加工の自動化で効率と信頼性が向上することを改めて示しています。「当社の以前の歩留まり率は約85%でした。それが、新たな生産ラインの効果で短期間のうちに97%を超え、その後も上昇を続けています。それに伴う原材料の無駄の削減や、在庫水準の抑制など、さまざまな恩恵を受けています」と、Min様は話されます。
将来へ向けた技術開発
将来へ向けた技術開発市場での競争が激化する中、DMG MORIの自動化ソリューションはHYDAC Chinaにとって強みの維持・強化につながりました。最近もHYDAC社とDMG MORIの連携がさらに深まる出来事がありました。4台の工作機械とLPP、既存のCTSを接続する自動化ラインの増設が計画され、ドイツのHydac Sulzbach社向けに発注されています。「デジタル化と自動化が加速する中、技術進歩には、今後も限界がないと感じます。当社とDMG MORIの協力関係のように、今後の技術開発は、さらに長期的で強固なものになるでしょう」と、Min様は締めくくられました。
※組織名・肩書は掲載当時のものになります。
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