スキル向上・業界の底上げ

社内に向けた研修だけでなく、社外の方にとっても有益となる学びの場の提供や、技術・技能の研鑽と向上を目的としたコンテスト、講座なども積極的に開催することで、産業全体のスキル向上、底上げに寄与したいと考えています。

DMG MORI ACADEMY

社員の技能向上だけでなく、製造業全体の技術者育成、お客様のNC機械導入時の立ち上がりをスムーズにすることを目的として、グローバルにDMG MORI ACADEMYを設置しています。グループ最大の生産拠点である伊賀事業所、米国シカゴ、独シュツットガルトと、各地域の中核となるアカデミー施設があります。2023年より全国のより多くのお客様と地域の学生に最寄りの場所で実機でのトレーニングに参加いただく機会を拡充すべく、浜松、金沢、仙台、岡山にも開設。今後九州地区へも開設予定です。

デジタルアカデミー

機械操作の習得を目的としたオンライン学習コンテンツ「デジタルアカデミー」を2020年より提供しています。カスタマーポータルmy DMG MORIよりいつでもどこからでも最新の工作機械教育を受講いただけるため、お客様だけでなく、学生や教職員の皆様にも授業の教材や自宅学習、ロボコン等の部活動の教育教材としてご利用いただいています。

my DMG MORIの画面イメージ

レジデントエンジニア

複雑な形状や新素材を採用した製品が増えており、加工技術の高度化が求められている背景を受け、お客様先に生産技術員として1年間社員を派遣する「レジデントエンジニア」サービスを行っています。工作機械での最適な加工方法や加工効率の高い製品の設計を提案し、工作機械納入後の生産体制確立をトータルサポートしています。

5軸加工研究会

2018年に全国70社のお客様と「5軸加工研究会」を発足し、5軸加工機を導入したお客様により一層5軸加工機を活用いただけるようオペレーターの育成支援などを行っています。年に2回の会員総会や会報誌の発行、当社エンジニアによる技術セミナー、5軸加工の腕試しコンテストなどの活動を行い、総会では、自動車、航空機、半導体など、会員のビジネス拡大に必要な情報を発信。また、5軸加工技術の向上に重要なCAMスキルを磨く勉強会も実施しています。これらの活動を通じて、5軸加工研究会はお客様のオペレーター確保と育成を支援するとともに、会員企業・団体の相互交流、情報交換の場となり、オペレーターの事業機会の拡大と経営の安定化にもつながっています。5軸加工機普及を通して、お客様の生産性向上に貢献します。

ドイツのお客様を訪問する視察ツアー
会報誌「DISCOVERY」

切削加工ドリームコンテスト

「切削加工ドリームコンテスト」は、日本国内において加工業に携わり、切削型工作機械、アディティブ マニュファクチャリングやレーザ加工機などの先端加工機を使用している企業および学校、研究機関を対象に、技術・技能の研鑽と向上、交流を目的として2004年より開催しています。これら力作に込められた技術やアイデア、努力を惜しまない向上心が世界のものづくりを支えています。

過去の受賞作品を含む作品集はこちらからご覧いただけます。

大学・高専との連携

地域振興や技術系教育の推進などで協働する包括協定を奈良県、三重県、兵庫県と締結しています。工業高校を含めた教育機関への最先端工作機械の貸与や、当社エンジニアによる加工ノウハウ・最新技術に関する授業の実施など、学生が産業界の最先端機器で学習できる環境を提供しています。また、女性エンジニア育成の一環として、奈良女子大学と包括協定を締結。当社から講師の派遣やカリキュラムの考案、奈良商品開発センタでの実習などを行っています。
ドイツにおいては技術系のコースに進んだ学生が、職業訓練生として企業で約3年間のトレーニングを受けるアプレンティス制度というものがあり、職種別トレーニングを実施しています。また、毎年4月に女子学生に科学や工学分野に興味を持ってもらうための職業体験プロジェクトとして「Girls’ Day」を開催し、部品の組立、空気制御の設定、はんだ付けなどの技術を体験できる機会を提供しています。

女性エンジニアの教育支援
奈良商品開発センタでの実習の様子

技能五輪

参加各国における職業訓練の振興と青年技能者の国際交流、親善を図ることを目的に開催される「技能五輪国際大会」。当社は国際大会、予選大会への機械提供や現場での技術サポート、競技者のための訓練コースの実施などを通して継続的に支援しています。2023年には日本代表選手選考会が伊賀事業所で開催されました。

技能五輪国際大会2022の様子

森記念製造技術研究財団

本財団は「研究開発」「人材育成」「地域・文化」の3事業を軸に、工作機械業界のみならずグローバルな産業界の発展と持続可能な成長に寄与すべく、助成・支援活動を行っています。CIRP(国際生産工学アカデミー)等の国際的な学会に協賛もしており、CIRP 2023 Dublinでは学術発表も行うなど生産技術に関する研究・開発を共に推進しています。また、2019年以降、京都大学・慶應義塾大学・東京大学の工学系大学院生に対する3年間の奨学金支給を行っており、2023年には支給対象を京都大学の人文社会科学系の大学院生にも拡大しました。博士号取得後は民間企業への就職や大学での研究の継続などそれぞれのフィールドで活躍しています。2021年より毎年、奈良商品開発センタにて懇親会を開催しており、OBも交え大学や専攻の垣根を越えて活発な議論がなされています。

※1うち1名は2021年秋季入学者 ※25年一貫性博士課程の1・2年生を含む
奈良商品開発センタでの技術懇親会の様子