人材育成支援 | ESGへの取り組み | サステナビリティ | DMG MORI

人材育成支援

将来の工作機械業界を担う人材育成に対して企業は責任を負っています。DMG MORIはグローバルに社員教育用の研修施設を配置するほか、奨学金の拠出や工作機械の貸出などを通じて人材育成に取り組んでいます。

本財団は2016年の設立以来「人材育成助成」「地域・文化助成」「研究開発助成」の3領域を中心に、工作機械業界のみならずグローバルな産業界の発展と持続可能な成長に寄与すべく事業活動を進めています。今後も地域社会との連携を強化し、社会的責任の一端を担って参ります。

1)人材育成助成事業

2020年4月に京都大学創立125周年記念事業の一環として開設された寄附講座「デジタル設計生産学講座 精密計測加工研究コンソーシアム」をはじめ、京都大学総合生存学館(思修館) 、ベルリン日独センター「ヤングリーダーズフォーラム」への支援を継続しています。
また、2019年以降、京都大学・慶應義塾大学・東京大学の工学系大学院生に対する3年間の奨学金支給を行っており、2022年3月には1期生のうち5名が博士号を取得し、民間企業への就職や大学での研究の継続などそれぞれのフィールドで活躍しています。2023年4月には2期生5名のうち1名がDMG森精機株式会社へ入社予定です。さらに、2023年4月からは京都大学の人文社会科学系大学院生5名にも支給対象を拡大します。
2021年に引き続き、2022年8月に奈良PDC(商品開発センタ)で奨学生による技術懇親会を実施しました。大学や専攻の垣根を越えて活発な議論がなされ、非常に有意義なひとときとなりました。今後もこのような交流の場を積極的に設け、高度な専門知識を備えグローバルに活躍できる博士号取得者を増やし支援して参ります。

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2022年8月17日奈良PDC技術懇親会の様子

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2)地域・文化助成事業

2021年5月設立のJapan National Orchestra 株式会社では、コンサートをはじめ奈良県内の小学校や高校で子どもたちへのアウトリーチ活動等を行っております。また、DMG森精機の創業地である奈良県大和郡山市の菩提仙川沿いに植樹した140本の桜は、毎年近隣住民をはじめ多くの皆様にご好評をいただいています。さらに、神社仏閣の再建やお祭り・イベント等への支援を通じて地域に根付いた歴史や文化を重んじると共に未来に向けた更なる発展へ寄与しております。

3)研究開発助成事業

工作機械及び関連技術の研究開発助成は、本財団の出捐企業であるDMG森精機に委ね、国内外の大学・研究機関との共同研究開発、工作機械の貸与や寄贈を行っています。本財団は、主に国際学術会議等の運営支援を中心に支援を行っています。

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産学連携と技術者の育成
奈良商品開発センタでの先進技術者育成

2022年7月に開所した奈良商品開発センタ(奈良PDC)は、DXと先進技術の開発拠点であるとともに、最先端のDX技術や工作機械の要素技術に習熟した人材を育成・採用する場としての役割も担います。日本における電子機器、産業機械、医療機器企業等の一大集積地である京阪神いずれからもアクセスが良いという立地を活かし、産学連携も含め、関連する技術者の交流を推進する拠点となります。また、奈良女子大学工学部の学生向け実習設備も備えており、工学系の女性育成も支援します。

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国立大学との連携
工学系人材の多様性促進

女子大学で日本初となる工学部を開設した奈良女子大学と包括協定を締結しました。
講師の派遣やマシニング技術を活用したカリキュラムの考案を行い、工学系の女性育成を支援しています。
設計開発技術、生産技術、先端技術を有機的につなげて教える「先端設計生産工学」をテーマに2022年は講義を8回実施しました。2023年は講義8回に加え、実習8回を計画しており、うち6回はDMG森精機の奈良PDCでの実習を予定しています。専門に特化した技術・知識と製造業の包括的な知識を実社会に応用できる技術者の育成に貢献します。

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研究開発助成
大学・研究機関との共同研究開発および学術会議の運営助成

DMG森精機株式会社は国内外の大学や研究機関※1と工作機械および関連技術の共同研究開発※2を進めています。また、森記念製造技術研究財団ではCIRP(College International pour la Recherche en Productique:国際生産工学アカデミー)等、国際学術会議の運営助成を行っています。2022年11月28日から12月2日までICPE2022(InternationalConference on Precision Engineering)が奈良コンベンションセンターで開催されました。会議の座長にDMG森精機より社長の森が、副座長に執行役員の入野が就任し、奈良商品開発センタでの歓迎会とホテルで開催したバンケットをサポートしました。最終日には奈良システム工場と奈良商品開発センタの見学会を開催しました。290件の発表と400名近くの参加者で4年振りの対面でのICPEを盛況に開催することができました。

  • ※1東京大学・京都大学・慶應義塾大学・米国カリフォルニア大学(バークレー校)・独ハノーファー大学等
  • ※2主に加工技術・知能化・ネットワーク技術分野についての共同研究開発
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奈良コンベンションセンターで開催されたICPE2022

加工業界全体の技術・技能の向上と交流
切削加工ドリームコンテスト

切削加工ドリームコンテストは、日本国内において加工業に携わり、切削型工作機械、アディティブマニュファクチャリングやレーザ加工機などの先端加工機を使用している企業および学校、研究機関を対象に、技術・技能の研鑽と向上、交流を目的として2004年より開催しています。これら力作に込められた技術やアイデア、努力を惜しまない向上心が世界のものづくりを支えています。
第17回となった2022年は、審査委員長の独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構 光石 衛 理事※1をはじめ、7名の審査委員をお迎えしました。厳正な審査の結果、全応募作品50点の中から、産業部品加工部門より5点、試作・テスト加工部品部門より6点、芸術造形加工部門より3点、先端加工部門より3点、アカデミック部門より5点を選出し、2022年11月8日にJIMTOF2022の当社ブースの特設会場にて表彰式を開催しました。

  • ※12022年10月時点
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お客様のオペレーター育成支援
国内各所にDMG MORIアカデミーを設置予定

2025年にかけて、浜松、金沢、仙台、岡山、福岡の国内5都市にDMG MORIアカデミーを設置し若手技術者の育成を支援します。各アカデミーには、5軸加工機DMU 50 3rd Generation、複合加工機NTX 1000 2nd Generationを始め当社工作機械を複数台設置するほか、DXツールであるTULIPや三次元測定機などを備え、お客様にプライベートレッスンを提供します。国内各所にDMG MORIアカデミーを開設することにより、お客様は、ご都合に合わせて、最寄りの場所で当社商品に実際に触れていただく機会を得ることができるようになります。当社がオンラインで提供するDMG MORIデジタルアカデミーと、オンサイト教育であるアカデミーでの加工技術実習の連携により、技能習得効果の最大化を支援します。

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DMG MORI ACADEMY 浜松

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5軸加工研究会

5軸加工研究会

2018年、DMG MORIは創立70周年記念事業として、日本全国70社のお客様に5軸加工機のスタンダード機であるDMU 50を70台貸し出しました。5軸加工機は、高精度かつ複雑形状の加工が可能な反面、特有のプログラミングなど、その操作に高度な技能・経験が要求されることが障壁となり、日本での普及率は諸外国と比較して低位に留まっていました。そのため、当社は「 5軸加工研究会」を設立し、毎月2回当社エンジニアを派遣し、近隣のお客様も招いたプライベートレッスンを開催するなど、お客様のオペレーター育成支援活動を展開しています。累計1,161回のレッスンをお客様のオペレーターに提供するなどの活動を行い、5軸加工技術を推奨しました。
2021年に、この活動に対するお客様からの好評に応え、会員交流と5軸加工技術の向上を目指す企業・団体を集めた新体制を「5軸加工研究会」と再定義し、年2回の会員総会や会報誌の発行、当社エンジニアによる技術セミナー、5軸加工の腕試しコンテストなどの活動を行っています。2022年末現在、会員企業・団体数は、140社に上っています。これらの活動を通じて、「5軸加工研究会」はお客様のオペレーター確保と育成を支援するとともに、会員企業・団体の相互交流、情報交換の場となり、お客様の事業機会の拡大と経営の安定化にもつながっています。

  • 総会でのスペシャルトーク

  • DMU 50メンテナンス講習

  • 会報誌