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物流の取り組み

DMG森精機の取り組み

当社の物流は、工作機械の生産や修理復旧に必要な部材を調達する「調達物流」、調達した部材を国内外の生産拠点の組立工程に供給する「生産物流」、完成した製品やパーツをお客様にお届けする「販売物流」で構成されています。それぞれの物流で、DMG森精機、仕入先企業、輸送事業者との緻密な連携によって環境や社会に配慮した運用を行っています。

物流の取り組み

①調達物流

集約輸送の開始

2015年から当社が管理するトラック便を運行し、仕入先企業の部材を一括混載して引き取る「集約輸送」を行っています。仕入先企業が多く集中する地域に集荷拠点を設け、仕入先企業には納入指定日に合わせ集荷拠点まで部材を搬入いただき、集荷拠点からはDMG森精機が当社事業所まで輸送します。またトラックの積載率が常に満載になるよう生産計画に応じて便数の調整を行ない、集約輸送と連携する形でミルクラン輸送を並用することで、計画的・効率的な調達物流を実現しています。工場内への流入車両台数も削減でき、構内の安全性向上にもつながっています。

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DMG森精機の集約輸送網

CO2排出ガスの削減による環境保全

集約輸送によって調達物流のトラック便数が減少し、CO2排出量の削減に貢献しています。

集約輸送によるCO2排出削減量の推移

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※サプライヤ各社が手配したトラックのCO2排出総量と「集約輸送便(混載便)のCO2排出量」の差分

②生産物流

海外工場向け生産部材の輸出

海外工場向けの生産部材の輸出は、年間3,104トン( 2019年実績)を供給しています。2014年には生産部材の輸出専門工場を立ち上げ、物流品質を自社管理できる体制を構築し、リードタイム短縮、物流費の低減を実現しています。

リターナブルパレットの利用

生産部材の輸出容器には、スチール製のリターナブルパレットを用いています。以前は、木箱や木製スキッドで梱包して出荷していましたが、木材の廃棄処理が必要なことや積載率が低いこと、梱包時に木屑が混入する恐れがあるなど課題がありました。そこで当社ではスチール製のリターナブルパレットの運用を開始しました。スチール製のリターナブルパレットは、海上コンテナのサイズを基準として、コンテナ内に無駄なスペースを作らない設計としています。このスチール製のリターナブルパレットを用いることで、木箱を使用していたい時よりも積載率が向上し、出荷コンテナ数を約70%削減することができました。また、スチール製のリターナブルパレットは、繰り返し使用可能なため、2019年で38.7tの使用木材の削減にもつながりました。

リターナブルパレットの種類

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  • A: 小~中サイズの鋳物部品・機器
  • B: 主軸、刃物台など精密部品
  • C: テーブル、ATCユニットなどAで高さが収まらない部品
  • D: プロテクタ、板金などCで高さが収まらない部品
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梱包

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出荷(バンニング)

コンテナのクリーン化

近年、問題となっている特定外来生物のヒアリ対策として、使用前にコンテナ内の点検、殺虫剤散布を徹底し、管理表による対策実施の確認を行っています。

【確認対象】

  • DMG森精機で出荷するコンテナ全数

【実施内容】

  • コンテナ内外の目視確認
  • コンテナ内への殺虫剤噴霧
  • 作業実績管理表による対策実施の確認

③販売物流

国内輸送での取り組み

日本国内のお客様向けは、当社事業所から輸送事業者のトラックでお客様の工場に直接輸送しています。トラックシートは、当社のロゴをデザインした帆布を使用し、CS向上を図っています。また出荷先の地域やその気候に応じて、透明の防水ポリシートで密閉梱包し、乾燥剤を同梱して錆の発生を防止しています。

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製品を出荷するトラック

海外輸送での取り組み

海外のお客様向けには、名古屋港にトラック輸送したのち梱包作業を行い、コンテナ船で世界各国に海上輸送しています。製品保護のため、エアキャップ(キズ防止の緩衝材)、バリヤシート(乾燥剤入れエアを抜いた状態)、防水ポリシートの3層を施すことで、防塵・防錆対策を行っています。梱包にはスチールケースを用いています。スチールケースは梱包および開梱作業を木箱の場合と比べて、約1/3の時間で作業できるため、作業負担を軽減することが可能です。

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スチールケース梱包

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バリヤシートと防水シート梱包

物流品質証明書の発行

製品や部材の海外輸出は、当社から出荷後、長期間にわたって多数の運送事業者を経てお客様にお届けしておりますが、この間に軽微なキズや錆、雨水侵入等の不具合が起こる場合があります。当社ではこのような不具合がどこで発生したのかを明確にするために、梱包、出荷、入庫の各工程において、運送事業者に品質証明書を発行してもらい、不具合が発生した工程を特定し、追跡できるようにしています。各工程での品質確認作業を徹底し、万が一不具合が起こったとしても迅速な対応ができる体制を整え、品質管理体制を強化することで物流品質を高めています。

輸出の流れと品質証明書

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品質証明書の種類と要件

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今後の取り組み

環境に配慮した物流の実現を目指して

物流の目指すところは、いかに物流そのものを減らしていくか、残った部分をいかに単純な流れに仕組んでいくかに尽きます。後工程やお客様に配慮した物流を実現することが、環境面、社会面の課題を解決に導くことにつながります。
DMG森精機では、これまで実践してきた効果のある取組みを基盤として、今後も環境、社会に貢献する取り組みを行っていきます。