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地球環境保護

世界の平均気温はすでに産業革命前に比べ1℃を超えて上昇しています。我々は地球温暖化による大規模な洪水や台風などの異常気象が起因となって引き起こされる様々な被害を目の当たりにしています。地球温暖化の主因は化石燃料の燃焼によるCO2排出量の増加にあると考えられており、まさにCO2排出量の削減は待ったなしの状態です。
このような状況の中、当社はCO2排出量の削減に積極的に取り組んでいます。CO2排出量の削減は持続可能な社会の形成に必要不可欠であり、企業の社会的責任においても重要な課題です。

太陽光発電設備の積極的導入

グループ全体での再生可能エネルギー利用率の向上に取り組んでいます。具体的には買電から太陽光による自家発電への切り替えです。当社は2020年よりCO2フリー電力の導入をグループ全体で進めていおり、主力工場である伊賀事業所では2021年4月にCO2フリー電力を導入しました。これにより伊賀事業所での電力消費に伴うCO2排出量はすでにゼロを達成していますが、さらに太陽光発電設備を導入して、再生可能エネルギーの利用率を高めるために伊賀事業所の約13万平方メートルの工場屋根に太陽光パネルを設置しました。そのパネル容量は約13.4メガワットで、伊賀事業所の年間電力需要量の約30%を賄います。
これはオンサイトの自家消費型としては国内最大規模です。

太陽光パネル

バイオマス発電の導入

2021年に伊賀事業所内の塗装工場にバイオマス熱電供給システムを導入しました。このシステムは、電気と熱を発生させることで投入エネルギーの96%を利用できるという高効率で省エネルギー性能を持ち、当社のエネルギー消費の削減にも寄与するだけでなく、バイオマスの特性である生物由来の木質チップを燃料とするため、使用によるCO2排出は実質ゼロであり、加えて間伐材を利用するので環境保護と森林保全にもつながります。また燃料の木質チップを地域の木材業者から購入し、地域産業の形成にも貢献する活動です。当社の環境と地域社会への貢献事業の一つとして取り組んでいます。

地球環境保護

事業戦略の推進によるCO2排出量の削除

マシニング・トランスフォーメーション(MX)の推進

工程集約、自動化、DXによる生産性の向上と、製品及び周辺機器の省エネ化によりお客様での製品使用時のCO2排出量の削減を実現し、お客様工場でのGXに貢献します。
具体的には、これまで複数の機械で分割されていた加工工程を見直し、5軸・複合加工機を用いて、ワンチャッキングで同時加工し工程集約します。工程集約後、自動化により工作物の着脱やエアブローによる切りくず清掃などの機械停止時間を削減します。そして、デジタルツイン技術を駆使した最適加工プロセスにより工作物当たりの加工時間を短縮します。このように、工程集約、自動化、DXは、工程内および、工程間の搬送・滞留時間も削減し、生産性を向上させるだけでなく、消費電力の削減や、CO2排出量の削減にも寄与します。さらに、工作物を加工する際に必要な消費電力の内、約70%を占める周辺機器に対しては、効率化を図り、CO2排出量の削減を実現します。

地球環境保護

加工3悪の解決

切削加工では、ミスト、切りくず、クーラントが加工3悪と呼ばれ、加工精度、工作機械の停止時間に悪影響を与えます。この3悪を解決するために、2021年、当社は新たに周辺機器を開発・販売しました。ミストコレクタzero FOGは、機構部品を最適設計することにより、周辺機器自体の消費電力量を削減します。AIチップリムーバルは、AIを活用して加工室内の切りくずの分布と堆積量を認識し、切りくず堆積量が少ない場合は、クーラントポンプを停止させるといった、状況に応じた最適なポンプ制御で消費電力を削減します。ゼロスラッジクーラントは、クーラントタンク内の細かな切りくずを効率よく回収し、タンク内での堆積を防ぎ、バクテリアの繁殖を抑制して、腐敗によるクーラント交換周期を延ばします。クーラントの寿命が延びることにより、廃液量が減り、クーラントの最終処分に伴うCO2排出量を削減します。

AIチップリムーバル

ゼロスラッジクーラントタンク

zero FOG