調達、サプライチェーン

サプライチェーン全体でのCO2排出量削減の取り組み

DMG MORIは材料・部品の調達から廃棄に至るまでのライフサイクル全般において、環境配慮への対応が必要と考えています。2021年よりサプライチェーンの上流に当たる原材料の製造段階から製品の出荷(Scope 1、Scope 2およびScope 3の上流)に至る一連の工程のCO2排出量に対して、自助努力による削減を行っています。さらに2021年にSBT(Science Based Targets)イニシアチブからの認定を取得した目標の下、サプライチェーン全体のCO2排出量の削減にも取り組んでいます。

サプライチェーン全体のCO2排出量削減に取り組む

DMG MORIキャステックでの取り組み

DMG MORIキャステック株式会社は工作機械の主要部品であるベッド、コラムなどの鋳物を生産しています。鋳物は工作機械の精度・剛性・耐久性を決める重要な部品であり、高い品質の維持と安定的な調達量を確保することが重要です。また、鋳物の製造や調達には多くのCO2排出を伴うため、その対策も必要です。これらの課題に対応するために、2022年から本社工場の建て替えを開始し、生産能力の拡大および生産設備の入れ替えを実施しています。
さらに2024年からは、廃棄される工作機械の鋳物や、機械加工で排出された鋳物の切りくずを原料として使用することにより、廃棄される工作機械を最新の工作機械へ生まれ変わらせる取り組みを開始し、さらなるCO₂排出量削減を行っています。
2030年までに本社工場の建屋の建て替えを完了させ最新の生産方式へ見直しを行うことにより、生産過程におけるさらなるCO₂排出量削減を行うとともに、2023年で年間1.2万トン弱だった生産能力を3万トンまで増やします。これにより大型鋳物を中心に国内生産拠点の鋳物の年間必要量に対して75%程度を供給することになります。
また、新工場の建設に伴い、2023年1月より従来のコークス炉から電気炉に切り替えました。電気炉では、CO2フリー電力と再生可能エネルギーを利用しています。DMG MORIキャステックのCO2排出量は、2020年実績で年間6,665トンでしたが、2025年には年間140トン(2020年比98%減)まで削減する計画です。

鋳物生産拡大による安定調達

DMG森精機CIRCULAR

サーキュラーエコノミーへのより一層の貢献を目的として、2023年11月にDMG森精機CIRCULAR株式会社を設立。長期にわたって使用された設備機械のオーバーホールやレトロフィット事業に加え、更新寿命を迎えた老朽設備を回収して解体・分別し、得られたスクラップ材を新しい鋳物部品に再利用する取り組みを開始しています。
また、工作機械の製造工程において、社内やパートナー企業で鋳物素材を機械加工した際に生じるクーラント(切削油)が付着した切りくずについても、圧搾・分離して固形化し、新しい鋳物部品に再利用しています。これらの溶解プロセスはDMG MORIキャステックで行い、工作機械の新たな基幹部品として甦らせています。

グリーン調達

当社は事業活動全体において地球環境の保全を最優先課題の一つとして位置付けており、経営理念の一つである「環境資源を大切にし地球環境を守る」を具現化するべく企業活動を行っています。使用する原材料、部品、設備等の調達において、環境への影響がより少ない物品およびサービスを優先するとともに、有害化学物質の不使用など環境負荷の少ない原材料を購入するなどグリーン調達を進め、事業活動によって発生する環境負荷を低減するように努めています。

グリーン調達リスト例

クーラント関連部品
高効率なクーラントポンプをインバータにより最適制御

モータ効率クラス:IE5
モータ種類:永久磁石同期モータ
電源・駆動:インバータ駆動

油圧関連部品
高効率な油圧ユニットをインバータにより最適制御

モータ効率クラス:IE4相当
モータ種類:IPMモータ(回転数制御)
駆動:IPMモータと可変ベーンポンプ(可変吐出量)によるダブル可変