250万点を超えるパーツで構成された「宇宙ロケット」。なんと、その機体の壁厚はわずか3mm。極限を超えた軽量化と宇宙空間での耐久性を可能にする、機体壁面のアイソグリッド構造は、実は工作機械の技術がふんだんに盛り込まれているのだ。いまだ未踏の地を目指して。宇宙ロケットもDMG森精機も、行き先は一緒だ。

「コンピュータ」の歴史は長い。遡るとその歴史は紀元前にまで及ぶという。そして、アナログな計算機からデジタルなコンピュータに大きく進化したのが、約70年前。しかし、当時床面積は100㎡、重量30tにも及んだという。一人ひとりが当たり前にコンピュータを享受する世界。当時想像も出来なかっただろう世界をつくり上げたのも、言うまでもなく工作機械だ。

精巧であること、丈夫であること、何より美しくあること。生涯の愛を誓い合う「指輪」は、これまで職人による手作業が当たり前だった。特にダイヤの受け皿部分は、非常に細かな加工が必要とされる。しかし、職人の手作業に代わる手段として、いま工作機械の精度が大いに期待されているのだ。職人のバトンを受け継ぎ、伝統の技を磨いていくのも工作機械の使命だ。

冬のお鍋から災害時まで幅広く活躍する「カセットコンロ」。屋外でも風の影響を受けることなく、燃焼温度を安定させること。そんな日本のものづくりならではのきめ細かな視点が取り入れられたカセットコンロにも、金型製作で工作機械は一役買っているのだ。荒れ狂う風も何のその。工作機械の挑戦も止まらない。

ALCコンクリート。別名水に浮くコンクリートは、住まいの理想的な外壁素材として、多くの「住宅」で使用されている。その特殊なコンクリートが使用された外壁素材の製造から、鉄筋の加工まで幅広く工作機械は携わっている。台風に大雪、日照りや木枯らし。さまざまな気象に見舞われる日本だからこそ、工作機械も負けていられない。

実は凹凸があるものに比べて、半分ほどしか飛ばない。あの特徴的な凹凸はディンプルと呼ばれており、弾道や飛距離を伸ばすための長きにわたる試行錯誤の中で生まれた。そして、その緻密に計算された表面形状を実現するには、工作機械も欠かせない。200mを軽々超えて飛んでいく「ゴルフボール」の裏には、工作機械の技術も大いに関わっているのだ。

教科書に、運動着、リコーダー、上履き…。小学生の荷物の重さは大人と変わらない。一方で、緻密に計算された「ランドセル」は、教材などの重さを分散させ、育ち盛りの子どもたちの正しい発育を促している。未来に羽ばたく子どもたちのために、ランドセルの製造工程で一役買っているのも、工作機械なのだ。

遅くなって帰宅すると、食卓にはラップに包まれた食事が。きっとそのときあなたが感じるのは、温度だけでは言い表せない家族のあたたかさではないだろうか。そんな「食品用ラップ」の厚みは、約0.01mm。髪の毛の1/5ほどの薄さを実現しているのは、それ以上に精密な工作機械だ。大げさかもしれないが、工作機械は家族のぬくもりも守っているのだ。

第二次世界大戦後、世界の奇跡と呼ばれた日本経済。原動力となったのは、ものづくりの原点である「工具」の存在である。その代表格であるニッパーは、日本が何百年も前から鍛え続けてきた日本刀の鍛錬技術が活かされている。その技術を工作機械が受け継ぎ、大量の高品質な工具を生み出し、日本をものづくり大国へ押し上げた。工作機械も日本の魂を受け継ぐ、立派な職人なのだ。

夏を艶やかに彩る「水着」。わずか数ミリの厚さの中には2、3段階の層がつくられ、乾きやすく、砂がつかない魔法の布が完成する。そして、その糸作りから、カラフルに仕上げるための染色機まで、工作機械の技術力がふんだんに活かされている。夏、水着姿に見惚れながらも、少しだけ工作機械のことを思い出してほしい。

どんな過酷な環境下でも、故障が許されない。インフラ整備や都市開発で活躍する「油圧ショベル」は、ときに総重量100tを超える。その巨大な車体を支える特殊なエンジンを、0.01mmにも迫る精度で加工するのも工作機械。工作機械の技術が宿った油圧ショベルは、今日も地球のどこかで新しい暮らしを切り拓いている。

現代社会になくてはならない「半導体」。ひとつの回路のサイズは、10億分の32メートル。肉眼では到底認識することの出来ない世界だ。その材料となる素材を切り、磨いているのも工作機械である。もし半導体なくして携帯電話をつくろうとすれば、その大きさは家一軒分になるとも言われている。工作機械が織りなすミクロの世界から、この世界は回っているのだ。

木の精密機械とも言われる「ピアノ」には、実は木だけでなくさまざまな素材が使用されている。そして、その素材を加工する工具や製造工程で活躍する機械をつくるのもまた、工作機械なのだ。はるか昔から、美しい旋律で人々の心を奪ってきた、ピアノ。工作機械がピアノ以上に精密であるからこそ、木の精密機械はこの世に存在するのだ。

「トイレ」が居心地良いだなんて、今の時代だからこそ言えるのではないだろうか。和式から洋式のトイレに移り変わりはじめたのが、約40年ほど前。時代とともにトイレは進化を遂げ、座面は温かく、自動で蓋が開くものさえでてきた。都会の喧騒から逃れ、トイレでホッと一息。つい長居してしまう白く輝く陶器の製造にも、工作機械は欠かせないのだ。

実は時代とともに変化を遂げてきた「自動販売機」。各メーカーによって試行錯誤が進む中、外装からボタンのデザインまでニーズは多様化している。そんな中、板金の切断・屈曲加工や溶接、塗装とさまざまな工程で工作機械は活躍している。省エネやユーザビリティ、環境への配慮など多くを求められる自動販売機の進化も、工作機械は支えているのだ。

「人工関節」は、損傷した骨や関節の代替となる金属の医療器具である。しかし、実はただ滑らかに磨き上げれば良いものではなく、一人ひとりの骨形状を忠実に再現するため、工作機械で緻密な凹凸まで加工しなければならない。予期せぬ負傷から選手生命を絶たれたアスリートたち。DMG森精機はそんな彼らの第2の挑戦も、支えている。

日本の「高速鉄道」は、実は飛行技術が活かされ、気密性や防音性を確保しながら安全で軽量な設計となっていることを知っているだろうか。例えば、車体の特殊な成形を可能にしているのも工作機械に他ならない。初めて日本生まれの飛行機が空に飛び立ってから100余年。工作機械を通して、日本の高速鉄道は飛行機の系譜を引き継いでいったのだ。

ソールと呼ばれる「ウォーキングシューズ」の靴底。衝撃から足を守ると同時に、路面と接するため耐久性や地面との吸着性が求められる。そのために多くのソールで使われているのは合成ゴム。その原料となる石油の採取から、ソールを形成する金型まで工作機械は欠かせない。多種多様な地面が拡がるこの星には、やはり工作機械が必要なのだ。

小さな宇宙とも称される「機械式腕時計」。その心臓部分である直径約3cmのムーブメントは、多いもので3,000を超える部品から構成される。そして、その微細なパーツの加工には、職人の腕もさることながら、その一端を工作機械も担っている。正しく時を刻むこと、それだけが全てでないからこそ工作機械が活躍しているのだ。

注射は痛い。そんな当たり前がいま変わろうとしている。「注射器」の針は細ければ細いほど、痛みは和らげられる。細いものだと針の直径はわずか0.2mm。空洞の直径は0.1mm。もちろん手作業では不可能な芸当を実現しているのは、工作機械に他ならない。みんなが笑顔になれる痛みのない注射、そんな未来をつくるのも工作機械かもしれない。

海を渡り、物資を届ける「大型タンカー」。大きいものになると全長400m、載貨重量は50万tにも及ぶ。そんな鉄の塊を動かす原動力になっているのは、ディーゼルエンジンを加工する特殊な工作機械。物資が国から国へ渡り、そこに文化が生まれる。まさに、工作機械は文化をつなぎ、新たな社会や歴史をつむぐ担い手なのだ。

私たちを夢の世界に誘う、映画。そんな映画に欠かせないのは、もちろん映写機である。3Dなど映画の技術が進む中で、より精度が求められる映写機の「レンズ」も、歪みなくクリアな映像をスクリーンに映し出すために、工作機械の技術が大いに活かされている。さあ、今宵も工作機械とともにショータイムの始まりだ。

幼いころ、ぶつかった大きな試練。なんどもなんども転び、それでもまた立ち上がり、人生で初めての壁を乗り越えていく。多くの子どもたちが経験する、挫折と成長。そんな「自転車」のハブやドライブユニットは、工作機械によってつくられている。そう、工作機械は大きくなっていくあなたのそばで、そっと背中を押してきたのだ。

ステンレスが普及し始め、今まで暗く寒いところにあった台所は、一転して家族の中心になった。しかし、ステンレスは鉄より硬く、加工しにくい素材として有名で、それをいかに加工するかも工作機械の腕の見せ所だ。今では家族の中心になくてはならない「システムキッチン」。それまで長く続いた台所の概念を覆したのだ。

お正月、おばあちゃんの家に帰ったとき。元気に遊ぶ子どもたち、丸くなって寝ている猫。そのかたわらにあるのは、「石油ストーブ」ではないだろうか。そんな石油ストーブの製作に欠かせない金型をつくるのも工作機械だ。エアコンの普及が進み、床暖房も当たり前になってきた昨今。それでも日本の冬に欠かせない現役選手を工作機械は支えている。

高度3万6000kmを周る「人工衛星」。長いものだと15年もの間宇宙にとどまり続ける。その人工衛星の部品にはアルミニウムやチタン、炭素繊維など特殊な素材が使用されており、それらを加工するのも工作機械である。打ち上げられた瞬間から役目を終えるまで、私たちをそっと見守り、たくさんの情報を届け続けているのだ。

今日も一日お疲れ様、そうやって明日への活力を与えてくれる「ビール」。実はビールの生産工程で工作機械が活躍していることを知る人は少ない。そもそもビールは原料となる大麦を採取して、粉砕するところから始まる。その大麦を粉砕するのも工作機械。工作機械は、みんなが愛してやまないビールの苦味やのどごしにも大いに貢献しているのだ。

外の景色が見えなければ動いているのが分からないほど、最新の「エレベーター」は快適性が向上している。一方で、世界最速のエレベーターは、なんと時速70kmを超える。その驚くべきエレベーターの進化の裏には、ロープを巻き上げる機械の加工を担う工作機械の進化も必要不可欠だ。10円玉も倒れない、そんな魔法をかけるのも工作機械なのだ。

素敵な笑顔から、溢れる白い歯。「インプラント」の製作は元来手作業によるもので、歯科技工士の負担は非常に大きかった。しかし、工作機械の進化により顎骨に悪影響を与えることなく、一人ひとりにあったものをつくることが可能になった。いくつになっても溢れる自信は、工作機械がつくる美しい口元から生まれるのかもしれない。

人の営みに欠かせない「エネルギー資源」。地底深くに眠る資源を採掘するために活躍する巨大なドリル、ロックビットは海底でさまざまな岩を削る上で、剛性や安全性、効率性など非常に高い精度が要求される。そのロックビットを製造するのも実は工作機械。70億を超える人々がともに生きる世界は、DMG森精機がつくる。