基礎から分かる製造業DX

製造業DXは、人手不足や品質・コスト・納期といった
重要課題を解決し、企業の競争力を高めるための
取り組みですが、
取り組みに関心はあっても
”何から始めて良いのか”と迷うお客様も
少なくありません。
製造業DXの基礎知識、進め方、成功事例までを
わかりやすく解説します。

目次
  1. 1.製造業DXとは?
  2. 2.国内の製造業DXにおける現状と課題
  3. 3.製造業DXが今求められる理由
  4. 4.製造業DXで解決できる課題とソリューション
  5. 5.データ活用で実現する製造業DXの進め方
  6. 6.はじめての製造業DX よくある質問
  7. 7.製造業DXの導入事例
  8. 8.マシニング・トランスフォーメーション(MX)

製造業DXとは?

DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略称で、最新のデジタル技術を活用して ビジネスに変革を起こし、生産プロセスや業務を効率化する仕組みを作り、新たな価値を確立する取り組みです。
代表的な製造業DXの取り組みとしては、例えば、工場内のペーパレス化やデジタルツインを活用した設計・製造の効率化、稼働状況や不具合の予兆等を見える化することで稼働率の向上や予防保全につなげるなど、実にさまざまな取り組みが進められています。

MXガイドブック

国内における製造業DXの現状と課題

総務省の令和6年情報通信白書によると、日本、米国、ドイツ、中国企業のデジタル化の取り組み状況について調査した結果、日本ではデジタル化に関連する取り組みを未実施と回答した割合が約50%でした(図表1参照)。 2020年以降テレワークなども主流となっていた日本ですが、 海外に比べてまだまだデジタル化推進が遅れている状況が分かります。国内のデジタル化の取り組み率が低い現状は他社との差別化を図る大きなチャンスとも言えます。

図表1:デジタル化の取組状況(各国比較)
  • ※デジタル化に取り組んでいる企業を抽出するためのスクリーニング調査の結果に基づく
  • 【出典】総務省(2024)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」
図表2:国内の製造業におけるDX化の取り組み状況
  • 【出典】総務省(2021)「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」

製造業DXが今求められる理由

製造業DXが重要視される主な理由としては、「人手不足への対応」と「年々高まるQCD要求への対応」の2つが挙げられます。

人手不足に対応できる

日本では少子高齢化により労働人口が減少し、熟練技術者の高齢化も進んでいます。製造業における若年層の就業者割合は、過去22年間で大幅に低下しており、この人手不足は今後も続く構造的な課題です。DX化の取り組みは、従業員一人当たりの生産性を高め、従来の「人に頼る生産体制」から脱却するための重要な手段として注目が集まっています。

図表3:若年就業者(34歳以下)数の推移
  • 備考:2011年は、東日本大震災の影響により、全国集計結果が存在しない。分類不能の産業は非製造業に含む。
  • 資料:総務省「労働力調査」(2025年1月)

年々高まるQCD要求に対応できる

製品の多様化により、各社の開発スピードが早くなる中、取引先企業への品質・価格・納期の要求は、ますます厳しくなってきています。このような状況下、生産現場におけるDXは、品質の安定、コスト削減、生産リードタイムの短縮といったQCDの課題を解決し、競争力を大幅に強化する手段として注目されています。

〈 DXによるQCD改善のベネフィット 〉

(Q)品質
従業員のスキルや経験に依存した作業では、品質が 安定しないということが起こりやすくなります。
DXにより作業手順を標準化し、マニュアルを作成することで、安定した品質での生産が可能になります。
(C)コスト
工具や加工素材を適切に管理しないと、誤った工具の使用による生産歩留まり率の低下や原材料のロスが発生しやすくなります。
DXにより工具関連データや構成部品の一元管理が可能となり、原材料ロスの削減や無駄の解消につながります。
(D)納期
生産状況が把握できないと機械トラブルの発見が遅れ、無駄な作業や後戻り作業などが発生することで 納期に遅れが生じる可能性があります。DXによるデータの見える化を行うことで生産工程の効率化に寄与し、納期短縮が実現します。

製造業DXで解決できる課題とソリューション

製造現場では、停止ロス・性能ロス・不良ロス・人的ロスといった多様なロスが、生産性や品質に大きな影響を与える課題となっています。
DMG MORIでは、工作機械に加え、ソフトウェア・サービスを組み合わせた幅広いDXソリューションを提供しており、現場のあらゆる課題を解決できます。本章では、生産現場のよくある課題を解決するための代表的なDXソリューションをご紹介します。

課 題

  • ・製造現場のデータが
    一元管理されていない
  • ・故障・停止に気付かず生産が遅延
  • ・機械の稼働率を把握していない
  • ・改善すべき箇所が分からない
  • ・設備の摩耗や劣化で、
    タクトタイムが落ちている
  • ・定期点検・メンテナンスが
    できていない、手間がかかる
  • ・工具摩耗の管理がうまくできない
  • ・プログラムミスによるトラブルが
    多発している
  • ・クーラントや消耗品の
    管理が不十分
  • ・オペレーターの進捗が分からない
  • ・一部のオペレーターに
    作業が集中している
  • ・入力や確認作業が手作業で大変
  • ・測定調査に時間がかかる
  • ・プログラム作成に時間がかかる

解決方法

  • ・ネットワーク化
  • ・停止ロス削減
  • ・性能ロス削減
  • ・不良ロス削減
  • ・人的ロス削減

ポイント

  • ・全てをつなぎ見える化を始める
    DXの第一歩
  • ・稼働状況を見える化
  • ・遅延ゼロへの解決策
  • ・経験・スキルに頼らない
    現場運用、予知保全で
    生産を止めない
  • ・精密な管理とデータ活用で
    不良ゼロの現場に
  • ・作業量・作業手法を改善して
    現場の効率を最大化

具体的なソリューション

  • 製造現場プラットフォーム
    TULIP製品詳細を見る
  • 工作機械の機内で工具の計測や補正を自動で実現
    ツールビジュアライザー製品詳細を見る
  • 最新のセンシング技術を用いたワークの自動計測
    非接触機上計測システム製品詳細を見る

データ活用で実現する製造業DXの進め方

「DXを進めたいが、何から始めればいいのか分からない」 ―そのような声をよくお聞きします。製造業DXを実現させるためには明確な手順に従って進めることが重要です。次の5つのステップを実行することで、効率良くDXを進めることが可能です。

  1. 1.コネクティビティ

    工場のネットワーク化
    工場内の機械や設備をIoT化し、PCやクラウドシステムと連携します。データの収集が自動化され、現場の状況を一元的に管理できるようになります。
  2. 2.モニタリング

    稼働状況の見える化
    収集したデータを可視化し、工場全体の状況をリアルタイムで把握します。生産効率やボトルネックが一目で分かるようになります。
  3. 3.データ整理・分析

    課題を抽出
    可視化したデータを分析し、生産工程の問題点を抽出します。ボトルネックの発見や改善ポイントの特定に役立ちます。
  4. 4.工程の改善

    工程の改善
    特定した課題の原因を分析し、具体的な改善策を実行します。生産性が向上し、コスト削減や品質改善が期待できます。
  5. 5.自動化・省人化

    自動化・省人化
    DX化で得た工程改善の結果を踏まえ、プロセスを自動化し、省人化を進めます。業務効率がさらに向上し、競争力が強化されます。

はじめての製造業DX よくある質問

DXを導入したいけど「デジタルやネットワークに疎いので初期設定や使いこなしが難しいのでは?」と不安を感じる方も少なくありません。そこで、はじめてDXを導入される方の疑問にお答えします。

工場をネットワーク化するには何から始めたら良いのでしょうか?

工場をネットワーク化にはDMG MORI GATEWAYがおすすめです。導入に関しては弊社の問い合わせフォームよりご連絡ください。担当者より詳細をお伺いさせていただきます。
問い合わせフォームはこちら

ネットワーク化した時のセキュリティは問題ないでしょうか?
DMG MORI GATEWAYは、堅牢・安全なクラウドサービス「Microsoft Azure」上でデータ管理を行います。専用の回線を通じて接続し、厳格なセキュリティコントロールの下、データを暗号化することで、お客様のデータを安全に管理、保護します。
DMG MORI以外の工作機械や使用中の工作機械もネットワーク接続は可能でしょうか?
はい、DMG MORI以外の工作機械でも、PCのLANポートを通じてネットワーク接続が可能です。
ネットワークの専門知識がないのですが、導入は可能でしょうか?
初期設定やネットワーク、クラウド環境の構築までDMG MORIのエキスパートエンジニアが対応します。すべてDMG MORIが準備しますので、ネットワークの専門知識がなくても安心してご使用いただけます。
DXソリューションの導入前トライアルは可能でしょうか?

my DMG MORI会員の方であれば、DMG MORI Messengerのデモ画面を実際に操作いただくことができます。
また、TULIPは弊社の伊賀、東京、金沢、仙台、浜松、岡山の各拠点で体験していただくことが可能です。ご興味がありましたら、弊社営業までお問い合わせください。

導入後のサポートはありますか?

my DMG MORI会員の方にご利用いただける「サービスリクエスト」をご用意しています。
24時間365日お問い合わせをお受けしておりますので、ご利用ください。
また、ネットワークに異常が発生した際には、弊社に自動的に通知が届くようになっています。異常を確認した場合、弊社からお客様へお電話にてご連絡し、リモートでネットワーク機器にアクセスして、迅速に修理・復旧する体制を整えています。

製造業DXの導入事例

工場のDX化を進めて、実際に成果を出しているフロントランナー企業の事例をご紹介します。

導入成果
ネットワーク化、停止ロス削減
会社概要
  • 株式会社ケーテーテック
  • 〒341-0034 埼玉県三郷市新和1-433-1
  • 事業内容:半導体装置・産業用ロボット・医療装置・食品関連設備などの部品を製造
導入ソリュー
ション
導入成果
見える化、停止ロス削減
会社概要
  • 株式会社 小沢精密工業
  • 〒434-0046 静岡県浜松市浜名区染地台
    6丁目11-10
  • 事業内容:X線CT検査で使用される医療機器部品や半導体製造装置部品・管楽器部品などの加工
導入ソリュー
ション
導入成果
見える化、停止ロス削減
会社概要
  • 株式会社秋谷鉄工所
  • 〒651-2228 兵庫県神戸市西区見津が丘
    6丁目1-5
  • 事業内容:半導体装置・産業用ロボット・医療装置・業務用ロボット関連部品、半導体、液晶製造装置部品などを製造
導入ソリュー
ション

DX以外にも工程集約、自動化、GXを実現されたフロントランナー企業の事例をご紹介しています。

フロントランナー企業の事例はこちら

マシニング・トランスフォーメーション(MX)

工程集約・自動化・GX(グリーン・トランスフォーメーション)を、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を用いて推進し、製造業の革新を実現する仕組みが、DMG MORIのMX(マシニング・トランスフォーメーション)です。

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